障害者雇用の質向上へ―対話と合理的配慮の推進

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企業における障害者の法定雇用率の引き上げが進む中、障害者雇用の「質」の重視が求められています。2024年4月に法定雇用率が2.5%へと引き上げられるにあたり、数値達成だけでなく、障害者がそれぞれの強みや特性を活かして企業内で活躍できる環境作りが注目されています。このような背景のもと、「対話」と「合理的配慮」が、障害者雇用の質を高める鍵として浮かび上がっています。

対話による相互理解の推進

障害者雇用における対話の重要性は、フィンランドとデンマークの事例に学ぶことができます。これらの国々では、社会的サポートを必要とする個人への支援において、対話を通じた相互理解と参加性の向上に重点を置いています。ヒアリング調査により、対話を通して個人のニーズや強みを深く理解し、それに基づいた環境調整が行われていることが明らかになりました。特に、職場においては、障害者がその強みを最大限に発揮できるよう配慮がなされています。

Glad Teknik社の事例から学ぶ

デンマークのGlad Teknik社では、CEOマティアス氏のもと、多くの発達障害者がその強みを生かして働く環境が整備されています。マティアス氏自身が発達障害当事者であることから、障害者との対話や環境調整の重要性を熟知しており、その経験を生かした職場環境が提供されています。彼の基調講演では、対話や合理的配慮を通じた障害者雇用の成功事例についての洞察が共有されました。

今後の障害者雇用の方向性

シンポジウムでは、障害者雇用の「質」をどのように高めていくかについて、参加者と共に深く考察しました。「合理的配慮をめぐる対話」や「強みの発揮と環境調整」といったテーマでのディスカッションを通じ、障害者が自身の特性や能力を生かし、企業内で活躍できる環境作りの重要性が再確認されました。

障害者雇用の質向上のための対話と配慮

障害者雇用における「質」の向上を目指し、フィンランドやデンマークの成功事例を参考に、対話と合理的配慮の推進が重要であることが強調されました。特に、Glad Teknik社の事例からは、障害者個々の強みを生かした職場環境の実現のための具体的なアプローチが示され、今後の障害者雇用の質の向上に向けた明確な方向性が示されました。

  • セミナー開催概要

日時:4月25日(木)13:00-16:30 ※後日、動画配信あり

会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎134 番教室 (東京都文京区大塚3丁目29-1)

定員:200 名

参加費:無料

対象:研究者・学生・大学関係者/企業の障害者雇用関係者/障害者の就労支援関係者/障害者雇用に関心のある方 等

学術振興会・科学研究費助成事業・挑戦的研究(萌芽)

「就労定着における障害者と企業との合理的配慮に関する対話プロセス類型化の試み」研究代表者 小澤 温(筑波大学)

共催 : 筑波大学人間総合科学学術院リハビリテーション科学学位プログラム/特定非営利活動法人ディーセントワーク・ラボ

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